たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

訂正?

2000年3月刊行の『ダ・ヴィンチになる!』という表題の本(How to think like Leonardo da Vinci)をかなり以前に買っていた。おそるおそる紐解くと、モナ・リザのモノクロの図版が掲載されていて、これは横幅がとても広くてゆったりとしている。前回のエントリでは細長の画面構成への印象を書いたのだが、いったいこれはどういうことなのだろう。ネットで検索した画像は、自分のモニター解像度設定で、縦横比が微妙にずれてしまったためなのか。でもこれはあまりに太っていて印象ががらりと異なっている。


おかしな話であるね。どうも公表されている画像の縦と横の比は、まちまちなんじゃないだろうか。


この本の図版の縦と横とがそれぞれ、151.5mm×108.6mm(サブミリ以下まで測るなよ!)なので、縦横比は横を1として1.40と縦寸法が小さめ。


ポスター販売しているサイトでどうだろう。ここでは、ポスターの仕上がり寸法で、91.5cm×61.0cmとなっていて、縦横比は横を1として、1.5ちょうどだった。これは用紙の都合?


ウィキペディアの記事によるモナ・リザの画像のピクセル数は、599pixel×388pixelで、おなじく縦横比1.54である。高解像度画像では、865pixel×560pixelで、縦横比1.54と、普通の解像度画像と同じ数値となっている。


うーん、何だかどれが正解なんだかわからなくなった。
最後は、元絵に当たるしかない。
ルーブル美術館のサイトにある原画のサイズは、高さ77cm×幅53cmとある。横を1とした縦横比は、1.45だった。


ルーブル美術館のサイズが真であるとすると、ウィキペディアの画像は縦に伸ばされた画像サイズとなっていて、ポスターもその傾向だ。本の画像は、逆に横に伸ばした画像サイズとなっている。


で、先の記事で感じた異様な部分は、この縦横比の影響が大だったのだろうか。『ダ・ヴィンチになる!』に掲載の図版をしげしげと眺めた。安定感はあるが洗練されていない感じがする。
原画はどうか。やっぱりこれがいちばん顔の表情が魅惑的なサイズだと再確認。これほど比によって絵画の印象が変化してしまうものなのか。ちょっと驚きである。
手の大きさはやはり小さいなと感じた。