たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

とにかく始めること

若い頃はあまり自覚したことがなかったけれど、年齢を重ねると
何かを始める際に、あれこれと考え込むことが増えるような気がする。
「そんなことしたって何が変わるのだろう?」
「こんな周囲の抵抗があるんじゃないか」
「あ〜あ、面倒くさい!」
というような心の中で繰り返される呟きみたいなものだ。
そしてたいていは、何かを始めようと考えながら足踏みして行動を起こさない。
己の中の抵抗勢力が、意欲というものを押しつぶしてしまう。
さらに悪いことに、押しつぶされたことを後悔しているのに、
その現状を是認している自分のふがいなさの気分や、
失望してしている気分が醸成されてしまうことだ。
たぶん、こんな気分の中で人は行動できなくなり、
あるいは「うつ」のような症状に落ち込んでいくのだろうな。


心には、物と同じように慣性がある。
じっとしているものは力を加えてもなかなか動きださない。
ものごとを始めるには、最初に大きな力が必要なのだ。
じっとしていることも習慣化してしまう。
大げさに考えずに、小さなことから始めるのがいいと経験からわかる。
小さな前進を日々続ける。
すると、やがて小さな前進をすることが習慣化する。
前進することが、慣性を生んで今度はじっとすることが難しくなる。
頭で考えていたってダメなのだ。
これは心の習慣なのだから、理解するかどうかではなく
小さなことでも行動するかどうかの決心の問題なのだ。