たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

水彩画筆

あちこちのことにエネルギーを使わず、決めたことに集中しないと
なにひとつモノにならないぞ。
そんな決心をして、日頃なかなか買えない最高級水彩画筆を
まとめて買ってしまった。ラファエルのコリンスキー毛水彩画筆3本、
ホルベインのコリンスキー毛水彩画筆1本。
万札が何枚いるんじゃ、という感じ・・・


カザンリスなどのリス系の筆に比べると、コリンスキー毛の筆は、
絵の具の含みがよい上に、毛先がピンと筋がとおり(張りがある感じで)、
細かい作業もやりやすい。欠点は高価と言うこと。よく使う中位の太さの
5、6号で1本数千円前後。コリンスキーという動物はよく知らないけれど
希少動物なんだろうか。


いままで1本だけラファエルのコリンスキー毛を所有していた。
しかし、大切にしすぎてめったに使わない。
結局、安いリス毛のものやナイロン毛まで使って、だいたいの絵を描いてしまう。
なんて貧乏性なんだろうか・・・
これじゃいいもの持っている意味がないではないか。
こんなことではいけないんだよね。


ホルベインのものを買ったのは、ラファエル以外のメーカのものを
試してみたかったことと、すこし安かったこと(こちらも重要だった)。


とてもお気に入りの靴なんか買って、大事にしすぎてあまり履かず、
そのうちカビなんかが生えているというのと似ている。
また、むかし模型飛行機ばかり作っていた頃は、
材料の良質バルサをしこたま買い込んでストックしておいて、
結局、極上のバルサは残しておいて(バルサ博物館みたいだ)、
中程度のものから模型を作っていたのとも似ている。


こんなこと繰り返しているうちに、人生の旬な時が過ぎてしまうではないか。
そういう自分への叱咤激励という意味づけがなされると考えられる。
今回の水彩画筆の買い物は。
(そんな大げさに語る必要もないのだが)