たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

植物様!

植物の光合成が盛んに行われた結果、酸素が作られて原始の地球の大気環境ができた、などと解説されている。たしかにボクたち側からすれば、植物様に酸素を作っていただいたということになるのだけれど、どうも植物の方は酸素を作ってやろうと思っていたわけではないらしい。
それは当たり前か・・・動物が生まれる前の話だから。


光合成反応のお勉強をするためちょいと本を聞きかじったところ、植物殿は、水を原料にして水素を手に入れたかったらしい。水はH2Oというくらいで、水素と酸素の結合した化合物だけれど、このうちの欲しいのは水素のみ。水素を取り込んで(正確には水素イオンを取り込んで)、これを原動力にして化学反応を回しているのだそうだ。
光のエネルギーを使って、水から水素を取り出すなんて、なんて「いま風」なんだろうな。
ま、それはともかく、植物にとって酸素は邪魔者で、排泄物でしかないということになる。


その排泄物が溜まりに溜り、地球上の大気の中で21%もの濃度になったとき、酸素を体内に取り込み、それを燃やしてエネルギーを取り出す仕組みを獲得した活発なヤツが出てきた。それが動物というわけだ。しかもこの動物という奴は、基本的に寄生属で、自らはエネルギーを作れない。だから、植物を食べてしまうか共食いして動物を食べてしまう。
もともと消費型の生物なんだ。


だから植物様に感謝!などというつもりはない。
人間は植物をコントロールしてお米を作り麦を作り芋を作り、ともに生きてきた。
だからどこか、人間の遺伝子のなかには、無抵抗の植物には申し訳ないような、懺悔するような、そんな負の感情と、母なるものへの親しみの感情が組み込まれているのではないかな、などと思う。
ガーデニングは、それを思い起こす儀式なんではないかな、などと。