たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

とっても少数派の考え

景気がよくて株価が上昇している時代は、金儲けの本が店頭によく並ぶ。
いまはそんな外向の時代になっているように思う。
そして振り子が勢いよく振れすぎると、その反動で自省的な内向の時代がやってくる。
書店には、人生論コーナーなんかができて、人生について考察する時期(流行?)
というのがあるように思う。


このようにして振り子は振れながらも、やはり本格的な人生を語るようなところには
容易にもどらない気がする。苦しみや病気や死というものに向き合うことは、
本当にめったにないのだ。
内向の時代といっても、金儲けだ、社会的成功だ、起業だなどという基軸は変わらず、
その価値観の延長上にある話である。孤独の時代に学ぶべき姿勢だとか、体力や精神力を
養うにはという視点でしか、人生は語られていないという印象を受ける。
いわばスポーツでデビュー前のアマチュア時代に、どれだけ下積みで苦労したか、
修練を積んだかというトレーニングメニューのようなものを感じてしまう。


人生には後半というものがある。下り坂というものが必ずやってくる。
そのときにも耐えうる人生論とは何だろうか。それでも人生を支えうる精神のあり方とは?
「生病老死」の後半の3つだ。