たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

ふう・・・

先週末、仕上げた水彩画をやっとのことで応募した。
提出の際のチェックでは、マット紙サイズを大きくしすぎて規定に入らず、
一回り小さな額を急遽購入してはめ込んだりしてバタバタした。
その反動だろうか、なんだかボーっとした日々が続いている。


しかし根を詰めるという濃密な時間は、必要だなと実感した。
作品の絵画を眺めては足らないものや、これはこれで十分というところを
何遍となく繰り返すことで、見えていなかったものが見えてくるという体験をした。
すべては目の前にあって、どこも隠すところはないのに、
見えていないとは変な話だ。が、事実はそのとおりみたいだ。


この応募準備のために、昨年描き始めた自宅周辺の風景画をうっちゃっていた。
久しぶりに眺めて手を入れ始めたが、やはり見え方がちがっていて、
至らないところに気づく。
何が至らないか。絵画は、そのモチーフやテーマから、
行き着くところまで行き着いていないといけないなと思う。


言い換えれば、ほとんどの作品は中途半端で、未完成という状態に足踏みしている
ということだ。テーマを暗示はするけど、至っていない作品。
しかし暗示するだけでなく、あらわに表現できないといけない。
そのとき作品はひとり立ちして、鑑賞者の前に存在感を示すような気がするのだ。
これは絵画だけに限らず、芸術作品と称されるもののに共通して言えることなのだろう。