たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

思い込み

思い込みが強すぎるのだという言うとき、思い込みはどちらかといえば、
悪者、つまり誤った結論を導いたり、周囲を振り回したり、
望ましくないことがらを引き起こす元凶とみなすことが多い。
また、そういう非難めいた言葉を浴びることも、たびたびだ。
「自我」と深く関わっていることも事実である。


そのことに異論はない。思い込みが強いことは、うすうす自覚している。
「思い込む」とは、自分の仮説をもつこと、それを正しいこととして、
検証される前から信ずる、あるいは賭けるということを意味する。
情熱と言ったり、執念と言うと、少し地位向上かな。
これがないと実は新しいものが生まれてこないとも思う。


しかし、逆の「思い込まない」状態とは、どのような精神状態を
いうのだろうか。ことに当たって「なーんにも考えない、思わない」
という状態とは、悟りきった境地なのか、あるいは環境条件に
振り回され漂流することに相当する。


思い込みの激しさを、直して行こうと考えることは、「自我」を
捨てていこうということになる。そんなことが可能なのかわからない。
被害妄想的に疑り深い人間が、人を信ずるように激変するというくらい、
困難なことのように思う。
思い込みに関しての思い込みが強くなると、またこれはややこしい。