たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

絵画サイトを訪問して思う

40代後半になって、ガムシャラにスケッチや水彩画を描いた。
学生の若い頃はデッサンばかりやっていて、水彩をいじったことは無かった。
だから水彩は、中年になりほぼ初めての経験だった。


うまくいったことなんか余りなく、今見るとダメ、ダメ、ダメの連続。
しかし「何を描いてはいけないか」、「どう描いてはいけないか」
ということが理解できた。
風景の中に描きあげた絵を並べて、こんないい風景の中に居ながら、
絵の方はまったく表現になっていない・・・


そういうフィルタを自分でかけ、無駄なものを取りのぞき、
自分は何を描きたいのか、どんな本質に迫るつもりなのか、
何を表現しようとしているのか、それを常に絞り込んできた気がする。


テクニックを上達させて絵に加えていくのでなく、
絵からいらないものをどんどん省略して絞っていく道。
そうすることで自分の求めている表現の世界に迫り、
絵の中で、描くに値するものの割合を高め純化させていく。
このプロセスが苦しく、またワクワクするところだ。