たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

どうして惹かれるのだろう

先日、H・G・ウェルズ原作を元にした映画『タイムマシン』をDVDで見た。
映画の内容は、主人公が機械の手違いにより紀元802701年に逢着する世界を
えがいたものだ。


タイムマシンの夢は、自分の心をたやすく支配してしまう。
たぶん、SFが好きなのも同じ背景があると思う。
まだ見ぬ未来というものを、フィクションの中ではあるが、
見てしまうスリルと興奮が、その理由のように思う。
確かに未来はそうなるのだと確信させる未来イメージの創作が鍵で、
製作者の腕の見せ所でもあり、見る側の面白さなのだと思う。


未来イメージが新鮮でサプライズを与えるものでなければならないが、
あまりにおとぎ話ではリアリティがない。
表現が精密であり、生活感情までが裏打ちされたSFが
もっともスリルと興奮をもたらすと思う。
その辺の味付けの仕方は実に微妙だ。


ボクが子供の頃夢見ていたのは、
ひとつは短いアンテナの着いた腕時計。
これで誰とでも話ができる。
もうひとつは、鉄腕アトムの実現。
このどちらもほぼ実現されてしまったと言ってよい。
いわば子供の頃のSFの世界に、今のボクがいる。