たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

線と色

最近絵を描いていて、やはり線は命なんだと思い直している。
「線と色」と、両者を対等なものとして言う場合が多いけれど、
どうも対等ではない。


線だけで絵は成り立ち得る。
しかし色だけで絵が成り立つだろうか。
たとえばパレットの中の溶いた絵の具の状態で。


奥津国道さんの技法書で読んだけれど、
下書きに、大半の時間を掛けて、徹底的に書き込むと言われている。
その気持ちには同感。


よい下書き、よい描き始め、始めの一本の線で、
絵の命が決まってくるような気がする。
よい線から描き始められるとき、
まるで湯気のように、いい絵の香りが
スケッチブックから湧き上がってくる。
そしてその香りに酔う。