たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

リャドふたたび

94年ころ、リャドの回顧展が日本で開催されたらしい。
当時、たまたま雑誌の小さな紹介記事で、画家の存在を知り、
色使いの独特なリャドの世界に興味を持った。
雑誌記事を切り抜いてしまっておいた。


でも日本では、あまり知られていないし画集も手に入らない。
詳しい情報がないままだった。
じつはこの2週くらい前からまた急に気になって、
切り抜き記事を引っぱり出して眺めたり、
ネットにあるサイトを見ていたりした。


その理由は、少し大きめの水彩画を描いるからだと思う。
小品とちがい、サイズが大きくなると、画面の構成や色のバランスなんかが、
もっと大つかみに「設計」しておかないといけない気がする。
部分部分はよく描けていても、離れてみると全体構成が弱いときがある。
そんな迷いにとらわれていた。


リャドは激しい色使いをしながら画面構成がじつに巧みだ。
その秘密が知りたかった。
先日の画廊の主の話によると、リャドの絵画はみな大判で、
普通の家に飾るようなサイズではないという。
たぶん大きなアトリエで、絵から離れた位置で、
全体を眺めては、「エイヤッ」と絵の具を投げ飛ばしたり、
筆でツバメ返しみたいにババッと描いていたんじゃないだろうか。