たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

10年ぶり

東京に住んでいたころ、模型グライダーに夢中で、
休日になれば、同好の士と大宮田んぼやグリーンパークによく出かけた。
クラブに所属していたので月例の記録会にも参加した。
全国の選手会に出て入賞したこともあった。


でも長野へ転居することがきっかけになり、
仲間とも離れ、飛ばして練習する場所もなく、ぷっつりやめてしまった。
だからやめてからもう10年以上経ったことになる。


先日、ここから程近い、松本市の先の豊科に
紙飛行機のクラブがあり定例会が開かれているという情報をネットで知った。
第2日曜日は、その本拠地にしている豊科南部公園で
集まりがあるらしいと判った。


3連休の真ん中で、出かけてみようかという気持ちになった。
なじみのサボテン屋さんが近いし、長女の店にも顔を出すか・・・
家内も行ってみるという。


お蔵入りになっていた紙飛行機やバルサのハンドランチグライダーを
引っ越しいらい初めて引っ張り出し、調子なんかを見てみて補修をした。
作製日付けを機体に書き込む習慣なので、年代を見ると皆1980年代で、
新しいもので90年代の初めだ。
10年以上前なのだから当たり前なのだけどね。


天候はスッキリしない曇り空で、風がややあった。
目的の公園に間近になり、車内から様子が見えた。
何人かの人たちが集まって手にはなにか白いものを持っている。
この人たちかなと、期待感を持ちながら
離れた駐車場に車を停めて、
調整したグライダーを持って公園の中央周辺に向かった。


しかしまわりにいる人たちは、
マレットゴルフの競技をしている人たちばかりだった。
手に持っていたものは記録紙だったり、白い手袋だった。
紙飛行機を飛ばしている人は一人もいなかった。
ただ少し強めの風が、広い原っぱの公園を吹き通っているだけだった。


10年ぶりのハンドランチをしてみた。
投げては風に流された機体を拾いにテクテク歩いた。
こうやって10年前も同じことをしていたんだなと回想した。
長野に来ることなく東京生活をそのまま続けていたら、
今もこんなことを続けていただろうと想像した。