たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

仕掛けたワナ

自分で自分のつくったワナにはまって苦しむということは、
実際世の中にたくさんあるものじゃないかと思う。
このごろ思うのは、そんなことばかり。


むろん「自分で」つくったワナとは気づかないので、
とても厄介である。
色眼鏡という古い言葉もあるが、
もし、自分が色眼鏡をかけていることに
まったく気づかなかったならば、
世の中を赤味がかって見ているということは、
永遠に自覚できない。


眼鏡なら他人から見えるが、
脳細胞の作用の中に色眼鏡が潜んでいたならば、
もうお手上げである。
どうやってその存在を検証できるだろう。


とびきり優れた師の鉄槌を喰らうか、
完膚なきまで他に打ちのめされ、
これまでの考えが崩壊したり、
崩壊の崖っぷちまでいって、
深淵を覗いてこないとたぶん無理。


肯定哲学もあるが、
小さな自分を出発点にして肯定ばかり
繰り返していたら、おそらく矮小で脆弱な樹木しか
育たないだろう。