迷い

下手な考え、休むに似たり。
囲碁の世界でこんな言葉をよく使う。
下手が、いくらうんうん唸っていい手をひねり出そうと智慧を絞っても、
所詮は大したことにはならないことを揶揄したものだ。
最近になって、この言葉の微妙な味わいがすこしわかるようになった。

先日、サボテン屋さんでどれを買おうか迷ったあげく、
結局、一番初めに目に飛び込んできたものを買った。
すかさず、
「第一印象のものが一番いいんだよ」
とサボテン屋。
なかなか真実を突いているじゃないか、このオヤジ。

だいたい、迷いだすといろいろな理屈を繰り出してくるのだ。
迷いだすと、そのことをさらに正当化する理屈を考えるようになる。
理屈が先なんだか、欲しいという気持ちが先なんだか、
しまいにわけがわからなくなる。
いつも自分を正当化して、理屈を付けなくては、
居ても立ってもいられない動物だな、人間は。

直感は過たない、という言葉もある。