たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

雨降る山奥で

今日は、朝7時に雨降る山奥に地区の男たちが、百人以上集合。
財産区」に植林している杉苗の下草刈で、総出の作業だった。
昔は山はマツタケの産地だったが、いま松自体が減り、
もっぱら山林維持のための作業に終始している、というのが実情。


前日から雨が降り止まず、中止になるのかならないのか
ハッキリしないまま当日の朝を迎えた。
中止にすれば、翌週やるだけだ。結局、雨天決行となった。


みな雨合羽を着て、地下足袋を履き、手には厚ガマとなたを持ち、
急斜面を登り下草を刈る。一列になって山頂まで、
総なめにして草を刈る。
雨が降っているので、腐葉土に水を含んだような足場を
踏みしめながらカマを振る。草が飛び散り水滴が顔や目に入る。
いばらの生えたところでは、倒れた草のトゲに刺される。


昨年も雨に降られた。
しかし、ほんとうは好天気の方が辛いかもしれない。
晴れの場合、気温が上昇し、熱射病に気をつけなければならない。
さらにハチや蛇が元気に活動している。
とくに、ハチの巣は、雨に当たらないように
草の陰に作られていることが多いから、
気づかずカマで払ってしまう。
すると怒ったハチに攻撃されるというわけだ。
それがスズメバチだったらみな逃げ回る。


雨合羽を着ていても、結局、むれた汗で全身びっしょりになった。
いくつかの植林斜面の草を刈り、作業は11時半に終了。


午後は慰労会で、みなよく飲んだ。
この行事が終れば、誰もがホッとする。


夕方、いつもはビーバーのエンジン音がどこかから聞こえるのだが、
今日は、人影はなく、田んぼはひっそりと静まり返っていた。
マジメで正直な地区の男たちは、みなひっくりかえって、
昼寝をしているのだろう。


その後、自分は仕事のため高速バスに乗り東京に戻った。
車中でよく寝た。