たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

酔う原因

さまざまな斜面でスキーのターン運動を繰り返し遊んできた。その経験から気がついたのは、身体の運動と心の運動が常に貼り合わせになっているという事実だ。この2つがピッタリしていればいるほど、運動中の自由感、自在感が湧き出してきて楽しい。


心の運動という概念は、ちょっとわかり難いかもしれない。身体が運動しているときに、それを操作している自分の心が常にある。この心は、心の中に作り出した心的空間のなかで同じ運動をしている。この心の通りに身体も動いていることが、自由感の元になる。実際の身体運動に心の運動が「ON」している感じだ。


急斜面などで気が引けるという。身体が先に落下していくのに心が一緒に運動していない。心が少し後ろを付いていっているズレたような感じだ。いわば身体の物理的運動に引きずられ支配されている。無理やり心がもって行かれる。ますます心は怯えてしまう。運動どころではない。


車酔いするのも同様だと推察できる。ハンドルを持った人間は酔わないという。車の運動にドライバーの心が付いて行っている。自分が切ったハンドルだからだ。だが同乗者はちがう。運転者のハンドルを切ったままに身体が動かされる。そこに心が付いていかなかったとしたら、眩暈を感じる。怯えた状態に陥る。方向感覚まで放棄してしまうと完全に酔った状態になる。


だから、心をプッシュして鼓舞することには効果がある。気合をかけるのも同様だ。心で負けていては、上手くいくはずがないのだ。