たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

ふたたび5年前の絵を・・・

駒ケ根の自宅の方に居をすえたこともあり一挙にモノが増えました。アトリエに使っている空間も手狭になってしまいました。昨日は、アトリエ用の棚を自作して収納箇所の増設を行いました。


ついでに2005年に描いたきり、そのままだった大判の風景水彩画に手を入れ始めました。高遠の天女橋と集落を描いたもので、なんだか完成していない気がして、筆を置き部屋に立てかけたままだったものです。4年も経過すると紙はどうなるんだろうという興味も手伝って。
しかし、さすがアルシュ紙ですね。しっかりしていてドーサ抜けも起こしていませんでした。


ところが筆をもっていくつか付け加えてみたものの、これで完了なのか自信がありません。完成だと思う瞬間はいつも不可解です。もう付け加えることがなくなったから完成なのか、思い描いていたとおりの仕上がりとなったので完成となるのか。それに、はたして思い描いていたとおりに絵とは描けるものなのか。どうも経験から言うと、「思っても見なかったことがらに気づいて」絵はどんどんと変化してしまいます。着陸地点が見えないという感覚はいつもつきまといます。ふと、ニコラ・ド・スタールがこの問題で悩んでいたらしいという話を思い浮かべてしまいます。


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