たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

BLOGを振り返って

ここのところ絵の仕上げに没頭しているうちに、BLOGのアクセスカウンタが40,000アクセスを越えていました。理屈っぽいことや小難しい記事ばかりで、楽しさの側面がやや欠けている(いや、まったく欠けている?)このBLOGを、多くの読者に読んでいただいたこと、改めて不思議に感じております。まことにありがとうございました。


BLOGを始めるにあたってこんな趣旨のことを書いたように記憶します。自分の中で整合の取りきれていなくて、ぐにゃぐにゃした形がないのだけれど、形がないだけにエネルギーの発生源になっているところのものを書いていきたい、というような内容です。2005年のことです。


当時と今とでは置かれている生活環境が大きく変わりました。実際、今年の3月に早期退職しています。会社勤めの頃、仕事に手抜きをした感覚はないのですが、それでも完全燃焼していないなという自覚は常々抱いていました。おそらく技術者として生きているだけでは満足していない「それ以外の部分」の自分が不完全な燃焼状態を生むのです。つまりは絵画の世界に深くかかわる生き方を希求する自分ということになりますが、その推定は当たりであったように思います。


いま絵のことや画材店準備のことで生活や精神が占有され、絵の表現に苦しんだり迷ったり、お店の準備でふうふう言っている自分がそこにあります。しかしサラリーマン時代のストレスフルな感じはまったくないと言えると思います。こんなにスカッとしていていいのかと訝しく思うほどです。自分が本当にやりたいと思っていることがらに、まっすぐ進むことの大切さを痛感します。


自分自身を知る、自分が何をほんとうに求めているのかを知る、それに素直に従うというシンプルで強い生き方が大切なのです。それを自覚するのが遅かったなとは思いますが。


こんな言葉があります。

では次に、よくない人間関係とはいったい何かということです。それは一言で言えば、自分が自分として存在することが許されない人間関係です。
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要するに、本当にささいなことでも自分を抑えなければ維持できないように感じる人間関係は、ハッキリ言ってよくない人間関係なのです。
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マドモアゼル・愛さんの著書より