絵画教室にて
静物画の3枚目に取り組み始めて2回目の教室があった。前回は木炭デッサンのような描き方になってしまった。今日から着彩をはじめた。
画題の静物の背景とテーブルは、ほとんど無彩色だが、気持ち的には何となく黄色系のイメージが湧く。そこで、テーブルは白系でまとめ、背景は黄色系にすることにした。
背景の一区画をチマチマとアクリル絵の具で塗っていたら、早速先生から、
「一箇所だけを塗ってはいけないのですよ。」
とコメント。
一箇所を塗ったら、その筆とその絵の具で、他のところにも色をのせていく。極端に言えば、画面全体に色をのせていく。絵は全体を均等に仕上げていくように。一部分だけを完成度を上げるのでなく、仕上げ途中の瞬間にも、絵画全体の完成度が上がっていくように、絵画として存在しているように描くこと。
「描いている最中でも、気分がのるように、調子が出るように。」
とも言われた。この言葉、痛いほどわかった。絵を描いていて苦しむようではいけない。楽しく描かなくてはいけない。結果的に苦しむことに陥るのは仕方ない場合はあるが、絵を描く姿勢自体は、楽しむように描く。そういう意味だと思う。
たとえて言えば、絵画の完成図が向こうにあるが、描いている最中は、またその完成図のボケボケのピンボケ写真の状態になっている。でもとらえようとしている世界の雰囲気は伺える。このピントを次第に合わせて、完成図が見えてくる過程が絵を描くことなのだと。
似たような内容の言葉が、たしかロダンの言葉にあったように思う。ロダンが素材の石をみるとき、完成した彫刻が見える。実際に鑿で石を彫るとは、埋まっている彫刻を救い出す行為なのだと。
まだ着色の途上だが、先生の教えにしたがい、全体を意識して塗り始めた絵画は、こんなところ。次回には完成するだろうか。