たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

落ちつかない日

今日は審判の下る日だ。審査会で承認されれば来年3月の退職が決まり、第2の人生のスタートが決定する。もっと早く企画すればよかったのじゃないか、とは人事部の担当の方のコメントだった。雇われ根性ということばは最近使わないが、自分の場合を振り返るとそのことばを思い起こす。


先日、TVの映像でヒナ鳥の巣立ちのシーンを見るともなく眺めていた。高い木の上につくられた巣の上で、ヒナ鳥がそろそろ巣立ちの日を迎える。羽をひろげて飛び立つ姿を練習してきた。いよいよ本当に飛び立つ日を迎えたのだ。ヒナ鳥にとって巣以外は、はじめての世界、翼を使ってのはじめての跳躍だ。それでも何かに突きうごかされるように巣から出ようとする。風がわたってくる。前へ進めという内なる声が聞こえているのだろうか。崖っぷちのところまで足を進ませて、羽を広げる。これは生きる意思と同じ。小さな生命だって同じ状況なのだ。


そこそこよい提案ならば、完全でなくとも進めるというのが、新しいことを始めるときの常道らしいが、完全を期したい気持ちがもともと強い。石橋を叩いて渡るどころか、叩きすぎて石橋がもろくなる。さらに石橋が落ちてしまう。完全無欠の自信なんて、この世の中にないのだろう。ないものを一所懸命探して、無駄な努力と無駄な時間を浪費しているのかもしれない。しかし、とうとう巣の崖っぷちのところまで来た。


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