たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

ついに入手した永山裕子さんのDVD

どこのサイトに書いてあったのか定かでないが、あの永山裕子さんが水彩画を描く様子を収録したDVDがあるらしいとの情報を得た。あの幻想的な花の水彩画はどのようなプロセスを経て現出するのだろう、瞬間的に見てみたいと思った。
で、それから何ヶ月。


水彩画の額をいくつか見るために、先日、吉祥寺のユザワヤに出かけた。こういうときはなんとなく予感がするものだ。なので、どこかにあのDVDがあるはずだと探すがどうにも見つからない。諦めかけたそのときふと振り返ったら、なんだか永山さんらしい人が水彩画を描いている動画が、DVDプレーヤーから流れている。プレーヤーの横には画材とDVDがセット販売になった商品が売られていた。鍵がかけられたガラスショーウィンドウの中で。


すぐ店員に尋ねると画材とのキット販売の商品なので、バラ売りはしないとの答え。キットはいい値段をしていた。
「でも、その横にDVDだけの商品がありますけど・・・」
「あれ?ヘンだな・・・調べてきますね、お待ちください。」
というようなやり取りの結果、ようやくDVDだけを購入できた。
正式名を『永山流 水彩画法』という。


F10号くらいの水張りしたアルシュ紙に、下描きから始まり、花の静物画を仕上げるところまでの全プロセスが収録されている。たくさんのカメラの前で描いているのに、完成した絵がすばらしい。やはり天才的な人だ、と再認識。


感銘を受けたのは次のようなところだ。
花の中心になるところに赤系統の色彩をにじみを利かせながら描く。一度乾燥させて、今度は花びらの輪郭の外側の背景に濃い色を置いていく。背景を描くと同時に、明るい色彩の花びらが浮かび上がってくる。背景に筆を置いているはずなのに、直接描いていない花びらが描かれる。これは魔術のような瞬間だ。


油彩を習い、版画の世界に転じ、いま水彩画を描いているという。
ちなみにデッサンの教本も出版されている。デッサンはこれまたしっかりした描写力で唸ってしまう。
かなわないなぁ・・・こういう方もいるのだ。
このDVDを動画で紹介しているサイトがあった。