歳をとるといえば・・・
シェークスピアの言葉は、けっこうきつい内容をサラッと短く述べていて余韻が残る。次は『リア王』の中に出てくる道化の言葉。老いと知恵というテーマについて考え込んでしまう。智慧なく老いてしまったリア王には、悲惨な道を歩む結末が待っている。
次はT・S・エリオットの詩の一節。頭の薄くなったプルーフロックが恋の告白に逡巡している様を描き出す。
それというのも、おれはもうすっかり知っているのだ、みんなすっかり知りつくしたのだ。
朝の夕暮れも午後も知っている。
おれはコーヒーのサジで、おれの一生を計ってしまった。
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『プルーフロックの恋歌』上田保訳
もうひとつ。
・・・
わしには魂がない、
吹きっさらしの小さな岡のしたの
すきま風の家に住む老人。『ゲロンチョン』上田保訳