たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

歳をとるといえば・・・

シェークスピアの言葉は、けっこうきつい内容をサラッと短く述べていて余韻が残る。次は『リア王』の中に出てくる道化の言葉。老いと知恵というテーマについて考え込んでしまう。智慧なく老いてしまったリア王には、悲惨な道を歩む結末が待っている。

年寄りになるのは、智慧を貯めてからの後の事にして貰いたいものだね。
リア王』第一幕第五場 福田恒存


次はT・S・エリオットの詩の一節。頭の薄くなったプルーフロックが恋の告白に逡巡している様を描き出す。

それというのも、おれはもうすっかり知っているのだ、みんなすっかり知りつくしたのだ。
朝の夕暮れも午後も知っている。
おれはコーヒーのサジで、おれの一生を計ってしまった。
・・・
プルーフロックの恋歌』上田保訳


もうひとつ。

・・・
わしには魂がない、
吹きっさらしの小さな岡のしたの
すきま風の家に住む老人。

『ゲロンチョン』上田保訳