たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

逆説に聞こえてしまう

先日、鍵山秀三郎さんの短い言葉を集めた『ひとつ拾えば、ひとつだけきれいになる』という書物を購入。イエローハットを創業された方で、便所掃除の社長さんとしても著名になった方である。
本来ならば当たりまえの言葉が述べられているのだが、現在の風潮からするとそれが逆説のように聞こえてしまう。とても新鮮な感じがするのは次のような言葉。

「大きな努力で、小さな成果を」
私が講演をお引き受けするときのテーマのひとつです。
「逆ではないんですか」と指摘されることがよくあります。
そんなとき、「小さな努力で大きな成果」を得る生き方よりも「大きな努力で、小さな成果」を得る生き方のほうが、より確実な方法です。そのほうが自信になり満足が得られます。と答えるようにしています。
第4章 無駄な努力はない 大きな努力で小さな成果を p.86より

労せずして手に入れようとか、うまく人を出し抜いて得をしてやろうとか、それが当たり前になってしまった。すぐにも成功するというビジネス本、金儲け話が満載された書物、雑誌が書店に溢れているしね。億万長者という言葉は、最近の流行語なんじゃないかな。偶然に頼った「濡れ手に粟」の儲け話。たしか昔はそのような生き方は軽薄で軽蔑されていたはず。