たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

草刈作業

ふくらはぎが筋肉痛になりそうだ。疲れが何となくたまっている。昨日は、住んでいる長野の地区の総出作業。つまり山に入って、下草刈り作業だった。厚鎌と言われている刃の厚い頑丈な鎌をもち、山の斜面を登りつつ、保護する苗を選り分けながら、不要な草を刈っていく。草といっても半分は樹木で、伐採したシイの木の株から出てくる新枝が多い。やわな鎌ではそれこそ歯(刃)が立たないのだ。


山の斜面はかなりきつい場合もあり這いつくばって登ることも多い。イバラが生えていることもあるし、マムシやアカ蜂(スズメバチ)の巣があることもある。山の斜面を総なめにするので、巣があったときは警戒が必要だ。手は手袋、足には地下足袋、帽子をかぶり、肌を出さないように長袖を着る。


昨日はアカマツ林の中だったので比較的、直射日光を避けることができて、涼しかった。アカ蜂の活動も少ない感じだった。ヘビも居なかった。聞くところによるとマムシは攻撃的な生き物ではなく身の危険を感じたときに咬む。


だいたい朝の7時から開始して、昼までの4、5時間の作業だ。30分作業しては10分くらいの休憩を取り、作業や休みの開始には笛が鳴る。疲れてくると休憩の笛が早く鳴らないかなと心待ちするようになる。休憩になると背負ったリュックの中から水筒を取り出し、ヤレヤレと言いながら水分を補給する。そしてヤスリで鎌の刃を研ぎながら周囲と雑談をする。


各家庭の世帯主が出ることになっているので、60歳前後の男たちが半分くらい。長年この作業をやってきて慣れていることもあるが、みな元気なものだなと感心する。田舎には太った人が居ない。このような草刈作業や農作業など体を動かす機会が多いからなのだろう。日焼けして顔は黒い。作業のあとの慰労会ではみな笑顔で焼肉をつつき酒をのむ。疲れているので、酔いが回ると後へひっくり返って寝てしまう。


定年後は田舎暮らしでノンビリしたいという都会のサラリーマンは多いと聞く。実際の田舎暮らしには、こんな草刈作業や行事が次々と待ちかまえている。田舎の暮らしは体が資本なのだ。そしてこんな生活を楽しめるかどうか。