たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

問いかけるもの

豊麗丸というサボテンの花の美しさには、毎年驚かされる。鮮明な色彩の花が多いサボテンの中では、その上品さで最右翼ではないだろうか。そんな上品さに惹かれて、開花のたびに別の色合いの花の豊麗丸がちょっと欲しくなったりする。写真は、薄いピンク色のもの。白い品種ともっと赤みの強い品種がある。


植物にとって、花は種の保存のための生殖の器官で、主に昆虫類に見せるために咲くわけだけれど、人間にとっても美しいと感じるのは、植物のサービスなんだろうか。あるいは人間が美しいと感じ、愛玩し栽培するわけだから、種の保存を積極的に行ってくれる人間だって昆虫に劣らず大切なお客様なのだろうか。
昆虫は主として紫外線画像を見るので、人間が見る色彩とは大きく異なる。人間が美しいと思う色彩を備えて進化したということもあるかもしれない。


そういう意味で、花は外への問いかけに違いない。足を持たない生き方を選択した植物は、花を咲かせることで外界への通信チャンネルをオープンにしている。そんな花を愛でなくてどうすると思う。