夕暮れ時、飼い犬をつれて家の周辺を散歩して歩く。
伊那谷の全体像が眼下に眺められるこの風景は、いつ見ても飽きない。
中央アルプスの山並みが視線を遮るように立ちはだかり、
山頂の稜線がまだ明るい空と対照的なコントラストをつくっている。
街の灯がつきはじめた。
ナイター営業のスキー場の照明が小さく見えている。
伊那谷の南北方向に風が吹いている。でも寒さを感じるほどではなく心地よい。
次第に暗闇が迫ってきて、犬がどこをほっつき歩いているのか見えなくなる。
明るいのは、恵那山のとその先の名古屋の方角だ。
駒ヶ根の街の灯がますます増えて瞬いている。
こうしてボクらの立つ地表は夜へと傾斜していく。
