たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

連休に入った

連休に入ってもうすでに幾日かが過ぎた。遊びまくるという雰囲気は今年はない。
仲間と出かける連休中のスキー滑り納めも今年は止めた。まるで砂時計でも見詰ているように、日々の時間の経過を量っている自分を感じる。たぶん、この連休に、F20号の大判の水彩画をまとめることを最優先にしているので、ことさらそう感じるのだろう。
こんな大きなサイズの水彩画がまとまるとは自分も信じていないし、また描かれたものを見たこともないので、精神的にはちょっと緊迫感がどこか漂っている。ともかく、この連休中にある程度のまとまりをつける必要に迫られている。


大きなサイズの絵は、描ける対象物が、普段描くF6からF10に比べて5倍以上はある気がする。描いても描いても埋まらない。また描かれる対象物間の関連や、相互の間で生まれる多様性など一気に新たな別の問題が出てくる。形の関連性や色彩の関連性など、悩まなければならない事柄がたくさんある。
これらの課題に対してひとつひとつ解決を(無理矢理)与え、先に進まなければならない。結局、これまで自分の中で培ってきた技術や知識や戦略のもろもろを出していくことが求められる。


絵に疲れて気分転換というわけではないのだが、先日来、辻征夫さんと山本かずこさんの対談をまとめた『詩の話をしよう』を読んでいる。巻末に山本さん選になる辻征夫詩抄がついていて、これがまたいい。
「宿題」と「鳥籠」には、正直参る。何度も読み返してはその味わいを反芻している。自分がときどき書く詩は、説明的になりがちだ。いい詩というのは、そんな説明をすっ飛ばしてあっちの世界に行ってしまっていると痛感。
辻さんの言葉では、詩は曖昧であってはいけない、大事なことのひとつに厳密さがあると言われている。雰囲気ではなく思考が必要なのだろうと思う。