たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

自縄自縛

八方ふさがりで、もうダメだと思った瞬間から、
みるみる周囲の状況が好転して、新たな事実がわかって事態が進展したりする。
そんな経験をすることがある。
あとで考えれば、何だか運命みたいなものに翻弄され
からかわれている自分を発見する。


「ああ、最悪だ!」とつぶやくとき、実はそうではなくて
大きな転換点に立っている、皮肉なことだがそんな気がするのだ。
ただその瞬間に、自分のいるポジションが上手く把握できない。
そんな余裕がないと言うべきなんだろう。
なにしろ、追い詰められて逃げ場のなくなったネズミみたいなものだから。


精神的な闇の中を歩いているときも、こんな感じで似ている。
自ら招いて引き寄せた闇なのに、そんなことには気付かず、
八方ふさがりに陥っていく。
回りは真っ暗闇のように感じながら、どうにも打開できない。


つまりは自分を袋小路に追いやる余計な勢力に対して、
打つ手がだんだん無くなっていき、
それにつれていままで決して手放さなかった大切な何ものか、
あるいは無意識にしがみついていた何ものかを
ふっと、手放すんじゃないかと思える。


これを手放したらお終いだという思い込みが、すっと落ちてしまう。
その瞬間に事態が打開されてしまう。
「その手をゆるめろ!ゆるめれば解決する!」
結局、自ら編み出したワナに自ら掛かっている図式が見えてくる。
自分の最大の敵は自分という可笑しな矛盾。