女性の宇宙飛行士

日本人の宇宙飛行士で、女性としては2人目となる山崎直子さんが、2010年に打ち揚げられるスペースシャトルに搭乗することが決まったという。インタビューの中で、「すばらしい宇宙へ飛び立つこと」を語っておられたのが印象的だった。地上に束縛されて生きる人類にとって、地表を離れる体験というのはとてつもなく大きな意義を持つと思う。

しかし宇宙という場所は、決してすばらしい世界ではない。過酷で厳しい環境にさらされた真空地帯。周りにガスがないのだから、日射に当たれば直接放射熱で焼かれてしまうし、影に入れば暖めてくれるものがないためほとんど絶対零度に近くなる。紫外線や宇宙線が飛び交い、とても生物が生存できる空間ではない。

だが、このような厳しい環境に覆いつくされた宇宙空間の中で、ただひとつわれわれ生命を育んできた地球があること、宇宙空間にその稀有な環境の小さい青い球体が浮かんでいること、その事実に立ち会う機会を得たことは、とてもすばらしい。地球のかけがえのない姿をぜひ伝えていただきたいなと思う。