たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

青、その根源的な

その青さをしっかり見つめたかった
仰ぎ見る青さではなく
つつみこまれる青さでもなく
そこにいる友だちのように
隣でやすんでいる青さを見つめたかった
ゆれる頼りない波のような青を


いまそれが実現しつつある
地表から何百キロの高さから
ふと眼を上げれば
なにもかも吸い込んでしまう闇を拒否して
球体の表面でゆれるあおぞら
やさしくたわむれる青いかすみ
生命のゆりかご


***


NASAが撮影した宇宙から見た地球の姿を、手に入れられないものかと長いこと探していた。しかし意外に見つからないのだね。これだけ観察しているはずの地球画像が、記録としてあるはずなのだが・・・書籍にしても見る人がいないと思われているのだろうか。野口聡一さんの『宇宙日記』には比較的地球の姿の画像が収められているが。

そんな日々を送っていた。
DVDで記録されていないのかなといろいろ探してみたら、たったひとつあった。名前もそのものズバリだ。SYNFOREST社『宇宙から見た地球』。これはお気に入りになった。


***


初めて人類が宇宙を飛んで自らの地球の姿をのぞき見たのは、ガガーリンだと言われている。「地球は青かった」という言葉はあまりにも有名だが、これは見出し的に短縮した言葉らしく、本当はもっと詩的で長い言葉を彼は語ったようだ。
この話にはガガーリンの感動のほどが溢れている。いまボクたちはその言葉が理解できるが、当時誰も理解し得なかったのだろう。彼しか感動的な地球の姿を眼のあたりにしていなかったわけだから。


佐々木正明さんのBLOGによれば、以下のようであったという。

「地平線の様子は、独特なものでとても美しい。明るく光る地球の表面から、暗黒の空への境目は比べようもないほど美しい。暗黒の空間には星のまたたきが見える。この境目は、とても薄いもので、地球の球体を囲む膜の帯のようだった。地球の色は、優しく光る淡い水色で、暗黒空間へとつづく境目は、とてもなめらかな曲線で美しい。言葉では伝えにくい。地球の影からでたとき、地平線はまた違ったようにみえた。地平線には、明るくオレンジ色にひかる帯があり、その色は、再び、淡い水色に、そして濃厚な黒色に変わった」


タス通信の記者インタビューに。
1961年4月13日