たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

予想されたとおりの雨

昨夜から降り出した雨。5時過ぎに目覚めると雨足が見えるくらい激しく降っている。人間は外からの刺激に弱いもので、これから生ずるであろう雨降りの中の自転車出勤や、ぬれた路面のことなどを想起し、そんな状況にいる自分を予想してやや鬱陶しい気持ちに陥っている。


しかし、農家だったら降るべきときに適度に雨は降ってくれなくては困る。日照りではそれこそ干上がってしまい死活問題なのだ。雨という現象自体には憂鬱も喜びも、何の色合いもない。そこにただ自然現象があるだけで、人間の都合を織り交ぜるから雨や嫌だなと感じたり、恵みの雨などと勝手なことを言っているだけだ。


そういうことから推定すると、人間の感じ方はいい加減もいいところで、まず始めに自分の生存条件やら自分の都合とやらがデーンと心を支配していて、全てがそこを中心に回っている。自分中心の点から世界を見ているから歪んでいるのだが、なかなかそんな歪みを自覚することはない。強く自分のいる地点を主張してやまない人同士なら、終ることのない議論や争いを続けるだろう。職場では今日もおのれの都合と都合がぶつかり合うそんな日常が繰り広げられるにちがいない。


高高度を飛ぶ飛行機に乗った経験のある人ならば、どんな悪天候でも雨雲をつきぬけ雲海の上に出てしまえばいつでも晴天で、まぶしく輝く太陽が出ていることを知っている。お天気といってもたかだか高度7〜8km以下の地表世界の話。地球を宇宙から眺めれば、美しく青く輝く大気のベールの中の水蒸気の揺らぎに過ぎない。暗黒の真空の宇宙を背景にして、白く渦巻く雲の模様が地球にまといついている。その中で喜怒哀楽を繰り返して一生を送るんだなボクたちは。