たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

今年も咲く

『年々歳々花相似たり 歳々年々人同じからず』という言葉がある。花は毎年決まったように咲くけれど、それを見にくる人は年々変わっていくという意味だろうと思う。昨年見にきた人は、今年はもう見に来ることが出来ない。人の世の移り変わりのはやさを嘆いた気持ちを込めた詩なんだろうか。


年々歳々花相似たりという前半部に、ボクはちょっと異なる思いを抱く。
花は似ているというけれど、昨年の花は散り去ってもう無い。それが今年も蘇ったかのように花が咲く。毎年毎年、新たな花が咲く。だから咲いている花は、今年のこの一瞬しか生命はない新鮮な花である。見ているこちらだって、今年も生きながらえたという思いがどこかにある。そんなあやうい一瞬の出会いのような思いを抱くのだけれど。


今年も庭に、好きなナニワイバラが咲いた。