ファブリアーノ紙で描く
イタリアから帰国したSさんから、大変貴重なお土産をいただいた。イタリアの水彩紙ファブリアーノ紙とフランスのアルシュ紙だ。なかなか取り組めずにいたのだが、ようやく、ファブリアーノ紙に水彩画を描いてみた。
いただいた紙はやや薄い200g。しかし水貼り(平貼り)すると収縮が強くて水貼りテープが切れてしまった。やり直すと今度は、一部が剥がれてきてうねりができてしまう。けっきょく透かしの入ったところを避けて、逆さまにして描くことにした。
下塗りをして驚いたのだが、横方向へのにじみの度合いが強く、微妙で複雑な斑紋がでやすい。水貼りでテープが切れるほど収縮が強いことと考え合わせると、たぶんこの紙は、長い繊維が漉かれていて、一本一本の繊維が横方向に長く走っているはずだ。そのため、水と絵の具の粒子が横方向へよく浸透して動くのだろう。
いままでこういう紙とは付き合ったことはなかったので、不思議な感覚にワクワクした。うまく使えば水彩らしい表現がいろいろとできる気がする。水彩紙らしいにじみ具合が大変気に入った。
『東伊那の夏』
水彩 ファブリアーノ紙 B3(570×380mm)サイズ 200g ほぼ白
デジカメ画像だとにじみ具合があまり見えない(道路の部分に少し見える)。原画に向き合ったときのドキドキ感がちょっと現れていないのが残念だ。この絵画は完全に室内で描いた。
下は、夏に現場で描いた鉛筆スケッチ。モチーフはこのスケッチの風景だ。
でも、だいぶデフォルメしたところもある。