たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

積読(つんどく)

一度逃すと二度と会えない。毎月、膨大な数の書籍がつぎつぎと出版される出版界の現状。書店で買い逃すと二度と買えなくなるかもとおそれを感じます。これはと思ったらまず購入しておく習慣がつきました。身の回りの積読が増えます。読もう読もうと思いつつ、身近にはべらせている本の数々。


そんな中に、中野美加さんの『ワンランク上を目指す人の巡環力』という本があります。
書店で拾い読みして、これはと思った理由はただひとつ。『思考には「対流思考」と「巡環思考」がある』という観点です。これは新鮮でした。


とくに対流思考。これは何ごとに対してもぶつかり、戦いを挑み、その中で融合したものができ上がる、という考え方を示しています。

対流思考では、とにかく自分を主張し、意見にしても姿勢にしても、いわゆる「戦いの場」に持っていくことに主眼をおきます。それは勝ち負けを生み出し、あるいは組織やグループにおける上下関係を作り出します。

この思考の持ち主は、次のような話し方をします。
「ダメダメ、全然わかっていない」
「いや、それは違うと思う。絶対こうだと思う」
「違うよ、そうじゃなくって・・・」
相手の話したことには一切言及せず(ノー・レスポンス)、いきなり独自の話を展開する方もいます。


ワンランク上を目指す人の巡環力p.64

いわゆる「おれが、おれが」と何でも自分を通すことを要求する人物、あるいは静かにしていても腹の中ではとてつもなく高い自尊心が潜んでいるような男。最終的には上下関係が決定することで、戦いは終結し安定化するわけですが、むろんその安定化は彼の立場が上でなければならないわけです。


対流思考ではないと思っている自分は、長いサラリーマン生活の中でいくどこのタイプの人間とぶつかり合い、へこまされて来ただろうかと振り返りました。彼の性格がそんなものなのだとそのつど諦めてきたわけですが、実は思考のタイプに由来するのだ、という論点はとてもあたらしさを感じているわけです。


戦いを挑むことに主眼を置かなくとも、ひたすら自分の地位というか立場を確立することに執心するタイプもいるように思います。むろん高い地位なわけですが。


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