たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

秋の夜長に、獅子舞を振り返り・・・

昨日は獅子舞のお囃子太鼓をもち、地域を練り歩いた。ハッピにたすき、頭にまめしぼりといういでたちで、7曲くらいの楽曲にあわせて練り歩くのだ。その中に獅子舞の曲がある。とてもリズムがとりにくい。行列の先頭には獅子がいて地域の要所にくると(辻とか会所が多い)、悪魔祓いの獅子舞を披露する。


本来、獅子舞とは五穀豊穣の祈願と、悪魔祓いの両方を兼ねているらしい。獅子の真後ろにひょっとこが控えていて、獅子が舞うのにあわせてひょっとこが従う。一通り悪魔祓いの舞が終わると、獅子の頭を扇子であおぐしぐさをする。ひょっとこは侍者らしい。獅子の悪魔祓いの際には、片手に幣(ぬき)、あるいは御幣をもち、もう一方の手には鈴が束ねられた道具をもつ。これを周囲に向かって振りかざしてお祓いをする。


幣とは、白い紙を切り刻み稲妻のような形の長い紙片を束ねたもの。神道ではここに神が宿るとされる。これを棒の先につけ振り回すことでその場や人を清める。鈴にも、鈴祓いというものがありお清めの意味がある。神社の賽銭箱の前には太い紐に大きな鈴がつけられているのも同様だ。


獅子の口はたいてい閉じられている。踊りのある部分に至ると犬が噛み付くような素早い動作が行われる。パクパクパクと3回行われ、太鼓や堤がそれに調子を合わせる。悪魔を退治しかみ殺してしまったのか。


その横顔を見ながらふと思い出した。50年以上の昔、間近に寄ってきた獅子のこと。何というのか異様な光景に直面して、すでに怖気づいていた自分は獅子の口が目の前に迫りパニックになり泣き叫んだのだった。獅子舞というと何となくトラウマになって見るのを嫌がっていた。もうあれから半世紀の時が経った。


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