たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

TV番組から

連夜、秋祭りに関連する練習で時間をとられている。じっくりTVを見る時間がない、というのが最近の状態だが、今晩5分ほどチラ見した番組が妙に気になった。つまり、ネアンデルタール人は絶滅してしまったものの20万年間もの間繁栄し、クロマニヨン人はまだ4万年しか経過していないという。遺伝子型はかなり明瞭に異なるらしいが、共存していた時代があったとのことだ。


クロマニヨン人は現在まで存続しているから、ネアンデルタール人より高等人種だと考えるのは早計。あと100年くらいで気象変動や公害やらで絶滅するかもしれない。現に絶滅危惧種がつぎつぎ地上から姿を消している(と聞く)。


唐突だが、聖書の記述はクロマニヨン人の選ばれし民としての歴史なんだろうかと、TVを見た後で考え続けた。自分こそ世界、いや宇宙の中心にいる主役であると。


古くは地球は天の中心に位置して、太陽を始めあらゆる天体が自分の周りを巡っていると見た。それが地動説に替わり、その太陽系ですら銀河系の腕の一本の隅っこに位置しているとわかってきた。銀河系もこの宇宙のあちこちに無数に散らりつつも、それらは巨大な泡構造として分布しているとのことだ。科学の力により主観的で自己中心的な世界観から、客観的な他己中心的世界観に修正さる歴史をたどってきたといっていい。地球が、じつはどれだけ宇宙の中心から遠ざかったちっぽけな存在であったことか。いまだ自分が宇宙の中心であると信ずる根拠はなにか。


だからクロマニヨン人が選ばれし民なのではなく、歴史の推移でたまたま「わが世の春」を享受する立場になっているだけではないのだろうか。もし公平な神という存在があるとするなら、この物質世界を創造した後、自ら定めた物理法則にのっとり物質界が変転流浪する様を眺めているのではなかろうかと。


このような宇宙観は、手塚治虫氏『火の鳥』に出てくるものとほぼ一致している。死なない存在(死ねない存在)となったヤマトは、海に一滴のアミノ酸の混合物を滴下して、気の遠くなるような時間に耐えて新人類が出現するのを待つ。現在は、その一過程の進行中なのかもしれない・・・


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