たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

ハイパーレスキュー隊の活躍などから

東京消防庁ハイパーレスキュー隊による、福島第一原発の3号機の使用済み核燃料の一時貯蔵プールへの放水作業の様子が、記者会見で明らかにされました。被曝(ひばく)の危険にさらされながら、懸命の活動だったようです。命がけのミッションを遂行する姿に、頭の下がる思いでした。


また「Fukushima 50」という名で、海外メディアからその勇敢さに対して賞賛を浴びた男たちのことも報じられています。原発内で消火活動などに当たっていた250名ほどの東電社員が、15日放射能漏れの線量が上がるにつれて避難を開始したけれども、50人の作業員は命の危険を顧みずその場にとどまり消火活動などを継続したとのことです。


この2つのニュースを見聞きして、日本人の中にはサムライ精神が脈々と受け継がれているのだなと感じました。大儀のために自らの身をなげうってでも使命を全うするという精神がどこかに現われているように思うのです。お上というものへの忠誠によりサムライ社会は成り立っていたその時代が変わり、現代では与えられたミッションへの忠誠ということになるのでしょうか。いずれも個人の利益や意見を乗り越えたところの全体の利益に奉仕する精神のあり方なのだと思います。


それは避難生活を続ける人々の口からふと語られる言葉からもうかがえます。自分の被害よりもっと大きな被害を受けられた人たちがいるはずだから、自分は分をわきまえて援助品を自制するというような発言です。聞くところによると海外には、停電しただけで略奪者がやってくるので備えなければならないという国もあるそうですが、今回の大震災ではそのような話はひとつも聞きませんでした。


これだけの大災害に遭遇しても、心が荒廃しない国民とは、すごいことだなと改めて感じています。おそろしく冷静で、自制的で、忍耐強い国民といわざるを得ません。今回のことで、おそらく日本人の国民性の特殊性が(よい意味ですが)、世界に認知されPRされたのではないかと感じます。心が荒れていないのならば復興は早いはずです。希望を持って困難さにあたりたいと思いますね。


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