たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

このごろ夜中の2時くらいまで起きてあれこれとネットで調べたり、本を読んだりしている習慣が定着してしまった。


2000年にこの自宅を建てるに際し、思いっきりたくさんの蔵書を持ち込んでも床が抜けないよう梁の数の多い小さなエリア(=書斎)をつくった。やがて、東京で単身赴任の生活を送ることになり、なかなか書斎で過ごす感覚が味わえなかったが、ようやくそれが実現しているというわけ。


当時の建築設計家の話では、幅90cm、5段の書棚に本をいっぱい入れて、それを5本も置けば、軽自動車1台分の重量になるとのこと。現在、狭い書斎の全部の壁面に10本あまり書棚が並んでいるので、軽自動車2台が隣に並んでいるというわけだ。それに部屋のレイアウト上、書斎の真下は玄関ホールになっている。万が一床が抜けても人的被害は少ない。


電子書籍化が徹底すれば、ガランとした部屋にサーバーとPC端末があるだけという書斎になるのだろう(書斎である必要もすでにないか?)。でもたぶんそんな時代はやってこない。ガランとしたスッキリ整理された部屋で、白い壁に向かって創造的なことや考えごとが進むように感じない。


イデアを練ったり、試作したりしてモノつくりをする現場というのは、たいてい雑多なものが散乱して、だいたいこの辺にあれがあるはずとモノ探ししているような空間だ。たぶん脳みその活動においても同様で、ある程度の無秩序と乱雑さが必要と(強引に)推論する。まあ脳の活動というのは、目の前にある材料を組み合わせたり減らしてみたりする作業なのだ。


だから(さらに一段と推論して)書斎だってそれを反映して、ゴチャゴチャと整理のつかない本雑誌が所狭しと並んだり積まれたりしている状態が、もっとも心地よい空間である(はず)。