たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

木炭デッサン===カッパビーナス像===

次の石膏デッサンは、続けてビーナス像。今回のビーナス像は、先生から描きましょうと勧められた。カピトリ−ノのヴィーナス胸像というのが正式の名前らしいが、通称カッパヴィーナスと呼ばれている。胸をあらわにした美しい女神像で、大きさは高さが40cmくらいで、やや小さい。


しかし毎度のことだが首回りに微妙なひねりが現れた胸像だけに、その首の傾きなどに苦労しそうだ。像は胸までしかないが、たぶん右足に体重を乗せた休めの姿勢で、右腰が上がり、その分左肩が上がるような背骨の形がある。その反動で首が左に傾いていて、しかもやや左方向に視線を向けている。先生の注意点は、この肩から首、顔の向きなどの立体構成をきちんと捉えて表現すること。しだいに注文が高度になってくる。


また美人像は、雰囲気をとらえるのがやや難しい。人間の目は(男性の目かも?)、美人を見定める鑑定眼がかなり厳しいように思う。美形に敏感なのだ。似てなければすぐそれがわかってしまう。そんなこんなで、先生はこの石膏像を勧めたのかな?


先週から描きはじめ、今回で2回目。計5hほど。まだ完成には程遠い。
途中で各部分のゆがみなどをかなり厳しく指摘された。各寸法を「計り棒」できちんと計測し(まあ長い竹串なのだが)、見えにくければ石膏のところまで行って触り、くぼみ具合や出っ張っている方向を指で探る。その作業をずっと続けて、時間がかかった。しかしゆがみのない基本線ができてしまえば仕上がりは早いのだそうだ。そう願いたい。根を詰めると頭痛がしてくる感じだ。もう歳かな。