たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

ウェルカムボードを制作

今月末に松本市で結婚する次女から、式場エントランスに掲げるウェルカムボードの制作を依頼されてしまいました。なんでも中央に新郎新婦の似顔絵が入り、その周辺にバラをハート型にあしらって欲しいという贅沢な要望。そんな口で言うほど楽じゃないんだぜ・・・とブツブツ言いながら引き受けてしまいました。


後日、二人を取った携帯画像が送られてきました。まずはそれを印刷。
似顔絵なんかあまりやったこともないので、とりあえず印刷したものを横に、予行演習としてスケッチブックに鉛筆でざっとデッサンしてみました。

F6 コットマン
どうもあまり似ていない・・・。こんな写真一枚を見ただけで描けるんだろうか?と疑問になって、過去に撮影した人物画像を2枚ほど印刷しました。スケッチをメールに添付して娘に送ると、すぐさま、感激した!という返事が。だいたいこんな路線でいいということらしいです。


たまたまB3パネル(515×364mm)に水彩紙が水貼りしてあったので、これに描いて見ることとして鉛筆を持って人物画から描き始めます。鉛筆だけでは線が弱いので(見えないので)、セピア調のパステルで濃淡を軽くつけながら何となく人物画のデッサンを終えました。


その後、囲むようなバラを描かなければなりませんが、グルッと一周バラを配置すると、ちょっと煩いのではないかと、下半分に描いてみることに。まずバラの部分をマスキングインクでマスクして、その後背景のやや濁った色をジャブジャブと載せて行きます。

B3パネルにマーメイド紙300gを水貼り 鉛筆、パステル、水彩


次に上部の背景は、5月の青空をイメージしてコバルトブルー系で、バシャバシャと塗っていきます。人物の周辺をハート型に色抜きした感じで囲ってみましたが、さほど明瞭な感じではありません。まあ、いいか。


いちばん苦労しそうなバラを描いてみないことには、イメージがはっきりしません。

こんな感じかな・・・ついでにハート型に黄色系の色を人物背景に載せてみます。でもあんまりはっきりしない。


次に、文字を画面に入れるわけですが、水彩紙に描いてしまうと後の修正が利かなくなります。パソコンでデザインした文字を使ってそれを絵の上に乗せる方針としました。さらに、ただ文字の書いてある紙を置くのでなく、マット加工で文字エリアを作成し、その上に置くようにしたらと考えました。そこでちょっと変わったマット切りとなったわけです。

濃いクリーム系のマット紙を加工しました。サイズは、三々(605×454mm)というサイズとしました。


そこに文字を乗せて見ます。

まあまあ。曲線切りができるともう少し可愛らしくなったかも。


いよいよ絵画とマットを合わせてみます。なお絵画の方は別のマット紙に裏打ちしておきました。


白枠の三々額に入れて眺めてみます。

撮影場所が少し明るいところなので、色合いやクリア度がやや変化して見えています。
だいたいこんな感じでしょうか。