たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

円盤投げ半身像の木炭デッサン完了

今日先生のところで石膏デッサンの仕上げをしてきました。今日は仕上げるからねと、始めからプレッシャーをかけられ、おかげで集中できました。なんとか昼には先生のOKをいただき、このデッサンは完了となりました。3回の教室で各3時間くらい、家で少々描いたので計10時間というところだと思います。これまで3回の終了時のデッサンを、再度掲載してみます。始めはスケッチ風、次第に石膏の質感を描き込むように変化していることが見て取れると思います。

円盤投げ半身像 木炭紙に木炭デッサン(撮影のときの色かぶりがあります)



前回の終了時のデッサン(再掲)



前々回終了時のデッサン(再々掲)


今日の大半は、背景を描くことに費やしました。空間の中の石膏像を表現するには、背景の壁と石膏像との距離感を描く必要があります。背景が無垢の白では描きにくいので、かなりトーンを落としました。


先生のコメントは以下の通りでした。

  • 背景を描く場合、光が左上から差し込んできて右下に抜ける光の流れを意識して描くこと。
  • 周囲の空間を描くならば、台座を表現して、土台をしっかりと表現すべき。
  • また木炭紙の周辺に、描きこみのない白い部分があってはいけない。木炭紙全面が空間表現の場として使われるべき。この辺は水彩画や淡彩画とはちがう。
  • 概略が描けてきたら、木炭の優しいタッチでディテールを描きこむこと。そのために木炭は長く持ち、微妙な筆圧(木炭圧)を出すようにする。
  • 描きながらも形は必ず狂ってくるものなので、ときどき各部のチェックを入れること。線の右端と左端では、何ミリか違う。描いているうちに左端のつもりが右端になったりして次第にずれるもの。
  • いつも言っていることだが、ハーフトーンのコントロールが命。
  • まだまだ言いたいところはあるが、かなり描けたデッサンになった。


自分としては、まだだなと思うのは次の点。

  • 首と頭の表現がまだ定まっていない感じ。頭が大きくなったり小さくなったりして、体との比率が狂っているかもしれない。濃淡表現もまだこなれていない。
  • 向かって左側の腹部の立体感がイマイチ。ちょっとのっぺりしている。この辺は正確に描くだけでなく手練手管が必要だと思う。向こう側に回っている腹の厚みをどう表現するか。


ところで先生との雑談で、今日はちょっとくたびれたかもと言ったら、若い人は一日中描いているんだよね。そのエネルギーはたいしたものだと。じつは今日のデッサンで頭が痛くなりました。やはり年なんだな・・・改めて感じました。