たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

静物画 その2

今日はお店は休業日。そのかわり絵画教室に出かけて「にわか画家」になります。先週に引き続き、デッサンした静物画に色付けを始めました。先生に示唆されて、気がつきました。今回はアクリル画を描くことに抵抗を感じなくなっていました。当初感じていた戸惑いや扱いにくさがなくなった気がします。みっちり2時間あまり集中してバサバサ色付けをしていきます。ほんとうに筆がバサバサ、ガシャガシャと音を立てて、キャンバスに立ち向かっている感じです。


今日の制作段階は以下のとおりです。

《頭蓋骨と壷と果物》F12号 アクリル


塗りながら、横から先生のアドバイス。
絵を描く過程のそれぞれで、絵が気持ちよく完成しているというような描き方がいいのだと。部分作業に徹してひたすらどこかを一色で塗るような描き方より、全体をつねに意識しながらバランスを見ながら「どの部分も突出させない」描き方がいいとのこと。言われてみると確かにこれまでは部分作業に徹するあまり、制作過程において全体像をまとめる意識が薄かったかもしれないと思いました。


たとえばリンゴを描く場合、そのリンゴに集中するあまり、画面全体からは突出した鮮やかな赤色を使ってしまったりします。画面からはくすんだ色のリンゴの方がバランスよくより美しく見えるのに、です。全体のトーンの調和というものが重要であるともいえます。目の前のモデルのリンゴがどれほど赤く鮮やかであろうと、自分の描こうとする絵の中のリンゴが同じく鮮やかな色である必要は全くありません。青だって黒だって良い場合があるのだと思います。


風景画でも同じことで、この辺の事情はいつも絵を描く際に問題になる部分です。絵を始めて間もない頃にかならずこの問題にぶつかります。現実を写しとるのが絵画ではなく、現実からは独立した絵画の世界(表現された世界)が出現しなければいけないと思うのです。


さて今後の方向ですが、背景はまだ作りこみが不十分です。右側の明るい面は下塗りとして黄色系にしましたがなんだか気に入りません。もっと無彩色がいいなと感じています。左側の背景もすこしグラデーション気味に、明るくしようと思っています。その過程で、静物たちの表情を明確にしていきたいですね。



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