たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

静物画4の仕上げ

12日は絵画教室。7月から描き始めたアクリルの静物画がようやく完成。今回の絵画は技術習得というより、自分の表現したいテーマを絵にぶつけるつもりだった。それだけに仕上がるまでは正直、内心苦しんだ。最終的には描く静物の存在する空間のストーリが決定し、そのストーリを光と色彩で表現する手順だが、このストーリが定まらないためいろいろと絵をいじくっている。


先生もOKを出してくださったので、ホッとしている。後はサインを入れる。


むかしコンピュータグラフィックスの手法で、光線追跡法というやり方があった。太陽光がレモンにあたり、反射した光線が今度は黒い壷にあたる。壷に反射された光がようやく自分の目の中に飛び込む。その光線の軌跡をすべての方位について計算することで目に見えている画像を再現する手法だ。壷をよく眺めると、壷から反射して目に飛び込んだ光線はレモンの照り返しの光線も含んでいる。したがって壷の表面にはレモンの照り返しの色彩を含む。このようにしていくつかの静物がおかれた空間は、互いの存在を照らしあっている関係が見える場だ。今回の静物画は、互いの存在が響き合っている空間をスッキリと表現したいと考えた。うまくいっただろうか。


にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村