たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

言葉が雨のように降るということ

詩の言葉は天からとつぜん降ってくると表現した詩人がいる。詩のミューズとかポエジーが湧いてこなければだめなのだ、という言い方もある。その時を得なければ詩人は言葉を発することができない。詩は無理して書く類のものでもない(と思っている)。無理して書いたものはあとで嫌悪のタネになるだけだ。


ただし詩の断片はつねに頭の中を駆け巡る。天から言葉が降るときの天の裂け目を感じる。だが完成した形になるだけの充分なエネルギーがない。かすかな詩の影の存在を感じるだけ。そして何年も経過する。


辻征夫さんが著書のなかで、詩はある程度熟練した業でそこそこのものが書けてしまうという趣旨の言葉を述べておられた。いくら天から降ってくるといってもそれを推敲して完成に持っていく「技術」があるということだ。自分にはその具体的手法は想像もつかないが、経験などによりあるときフッと会得するのかもしれない。


詩から遠ざかってから何年も過ぎた。天から雨が降らない、そして才能がないなという諦めの気分のうちに時間が経過した。しかし最近、やや曇り空になってきた気もする。下手くそながら散文を書き散らすうちに、言葉をすこし操るのに長けたかもしれない。そんな微妙な気分でいたときに、八木幹夫さんからコメントをいただいた。こういうシンクロニティはとても不思議なことだと思った。なにか近々あるのだろう。


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