紙の裁断サイズ
民間企業では、コピーやプリントされる紙サイズは圧倒的にA4とA3が多いと思う。そしてなぜか官公庁関連ではB5やB4が多い。一緒にファイルに綴じるのは苦労があったりする。
いままで何気なく使っていたA系、B系の紙サイズだが、これらはJISで規定されている。意外に合理的な決め方がされている。
- A系、B系ともに、長辺を半分に裁断すると元の紙と相似形になるようにできている。
A3を半分にするとA4になり、さらに半分にするとA5となり、これらは縦横比が同じである。
- この性質をもつ縦横比としては、1:1.414(√2)しかない。
元の紙の縦寸法をL1、横寸法L2(横が長い)とすれば、
L1:L2 =(L2/2):L1
∴L1:L2 = 1:√2 ≒ 1:1.414
- 縦横比が決っているため、いちばん大きなサイズ(裁断前の元サイズ)を決めてしまえば、
より小さいサイズは、その半分、また半分というふうに自動的にサイズが決る。
つまり系列ができる。代表的な系列に、A系とB系がある。
- A0版といわれているおおもとのサイズは、面積が1m2となるよう決められている。
L1×L2 = L1^2×√2 = 10^6 mm2(これが1m2)
これより、L1 = 840mm、L2 = 1189mmとなる。
- B0版は、面積1.5m2で規定されている。これから、L1 = 1030mm、L2 = 1456mm
同じ数字ならB系のほうがA系よりサイズが大きい。
プリンタ機やコピー機の規格が統一されていないととても不便なことになる。しかし米国などの規格は、このA系、B系とは異なるため、米国のドキュメントをA系ファイルに納めようとすると揃わない事態になる。またパンチ穴の規格も違うという不便さもある。
絵画の世界で使われる規格はもっと複雑だ。油彩系キャンバスから来ているF6号などの系列。それにデッサン額の規格の、四つ切、大衣、三三などなど。それに書道の用紙の規格もある・・・