たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

赤沢自然休養林をあるく

お盆に訪ねてきた親戚の4人と家内とで、木曽郡上松町にある赤沢自然休養林に出かけた。木曽ヒノキをはじめとする木曽の樹木が保護された地域で、森林浴ができる遊歩道のコースがいくつも整備されている。

木曽を代表する樹木として木曽五木があるそうで、ヒノキ科のヒノキ、サワラ、ネズコ、アスナロ、そしてコウヤマキ科のコウヤマキ。遊歩道から手が触れられるところに説明文が下がっており、実物を見ながら違いを確認できる。とはいってもヒノキ科の4木は大変似ていて、素人には見分けは難しい。


どうやらこれがアスナロの幼木で、森林のあちこちに群生しそうな勢いで生えている。親木の作り出す日陰の中でも元気に育つのはアスナロだけらしく、放置すると森林はアスナロの林に変化するとのことだ。



森林の中には、伐採された切り株があちこちに見られる。切り取られて生命を終えた切り株や倒木の元には、その栄養を使って別の樹木の種が芽吹いている。死を迎えたものたちが集めたものは、次世代へと受け継がれていく。森林全体の生命には途絶えることがない。



木の根元に空洞の出来た樹木がいくつか見られるが、この空洞の部分は前の世代に倒れた樹木の幹があった痕跡である。その幹を栄養として新たに種が育ち大木となり、栄養源となった樹木は朽ち果て空洞となった。人が通れるくらいの大きさの空洞は、元の樹木がいかに大きかったかを示している。


樹木の年輪の数から400歳の樹木があちこちに立っているそうだ。森林に流れる時間の長さと人間の寿命を思わず比べてしまう。これら木々の目から見れば、つぎつぎと足早に人間がやってきては消えて、世代が代わってゆく風景が見えているのだろう。


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