たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

教室で

言いたいことはどんどん言ってしまう傾向のある絵画教室の先生。先日、土曜日がその先生の教室だった。いまは10号の大き目の静物画をまとめているところ。いろいろと指摘をいただきながら完成に近づいている(つもり)。指摘される事項はとても貴重だと思う。これは書物などの一般論では決して得られない種類のものだ。


先日のレッスンのメモ:

  • 四隅は暗くしない。絵の広がりがキャンバスのところで止まってしまう。絵が小さく感じられる。
  • 絵を描くプロセスで、ハイライトやダークなところを早めに付け加えていく。これで完成したときの絵画のイメージを持ち続けることが出来る。なにより気持ちよくなるはず。この気持ちよさが絵を描く上で必要。
  • 静物を描くなら、その周囲の空気のようなものを意識しなければいけない。3次元の空間にその静物が存在していることを描ききること。
  • 暗い背景はダメ!


四隅の暗がりは、写真の世界でも『ケラレ』といって問題視される。広角レンズを使用したときなどに、四隅の部分に到達する光量が、中央部に比べて少なくなるために暗くなってしまう。これは対象の真実を写していなくて、カメラの構造上の都合でこのような現象を引き起こしているのだから、本来あってはならない現象だ。Photoshopなどの画像ソフトで補正をかける必要がある。


暗い背景の話は、よくわかる。
展覧会などで暗い背景の静物画をよく見るけれど、意図して暗くしているのならばよいが、結果として(無意識に)暗くなってしまったのかなと思われる作品によく出会う。その暗さの必然性を感じないわけである。
描く側としては必然性を持っていないのだが、無意識に放っておくとつい暗い背景を描いてしまう。とくにアクリル画の場合、明るさはどんどん失われる。色に迷えば迷うほど色相の異なる絵の具を重ねてしまうが、要するに黒に近づいているのだ。
まあ水彩でも同じで、色が濁るわけだけれどね。



にほんブログ村 美術ブログ 絵画へ