たぶん絵的なBLOG

画材店の店主がつづる絵画や画材のあれこれ

『愛されるだけでは幸せになれない』

表題の言葉は、中井俊已さんの『贈る言葉・名言名句・いい言葉』というサイトで知った。斎藤茂太先生の言葉らしい。とても気がかりになり、机の小さなメモに書きとめておいた。今日はこの言葉にまつわる気持ちを、ちょっとメモしておこうと思う。

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言うまでもなく愛されることを人は望む。愛されることの正反対は、無視されることだ。ひとは注目され、かつ愛されたいといつも思っている。こういうBLOGを続けている動機のひとつは、注目されブックマークされ、たくさんの人に訪問されることであるのはまちがいない(なかなか、そうはならない訳ではあるが)。

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では実際に愛されているという、「うらやましい」状況に入ったら、それで全てのことがらがハッピーで、全て終わりかというとそう単純ではない。端的に言って、人は「受け身」のままで、それだけでは生き生きと生きることができない。生き生きとできない状況は、幸せを含まないと思う。

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たとえば、愛される一方で、その相手のことを何も思わず無視しているという状態を想像することができない。ましてそんな一方通行の状況が、幸せと関連するとは考えられない。

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また、愛されたということがらは、かならず化学反応を引き起こして、こんどは「能動的に」愛するという反対方向の流れを含むはず。自ら動くことの中に、初めて生き生きとした感情の流れが生まれる。愛することの中に人間の持てる能力や知性や豊かな感情が含まれる。

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能動的に愛するとは、与えることを含む。与えるという行動の中に全てのものが発動する。相手は人とは限らない。モノでも風景でも、自分が歩み寄りそれを大切に思い守っていきたいという気持ちは同質だ。

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今年は厳冬だったせいか、木々やサボテンの花つきがいいように思う。下の写真は、やっと2cmくらいに成長した緋冠竜の実生苗だが、驚いたことに実生2年目なのにきれいな花をつけた。夏場にかけて立派なトゲを出してくれよ・・・